色づくり。人類の知恵と、ちょっとの狂気

暦の上ではもう秋みたいです。
そのせいか、最近やけに本が読みたくなっています。

色に関する本を読みましたのでご紹介です✨

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📚月刊たくさんのふしぎ10月号
 いろいろ色のはじまり/田中陵二

様々な色が何から、どうやってできているかを紹介した雑誌。
子ども向けと侮るなかれ、大変勉強になりました。

石、植物、動物。
木の灰や梅の実、鉄サビ、日光。
それらを、砕く、煮る、焼く、乾かす、混ぜる……。

様々なものを使い、様々な方法で「美しい色」を作り出してきた人類。その試行錯誤の道のりの、長さ険しさは途方もなかったはず。
人類、粘り強い。聡明。そしてちょっと狂気を感じる。
 
 
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筆者の田中さんは、相模中央化学研究所主任研究員。有機・無機ケイ素化学、結晶学、鉱物学がご専門。光通信に使える新しい色素の研究をされているそう。
 
先日行ったポンペイの壁を彩っていた赤の原料である「辰砂」についても書かれていました。
ゴールデンカムイ読者としては、北海道の沢でヒグマの母子に怯えながら辰砂を採取する田中さんに狂気を感じてしまった笑 
好奇心は死の恐怖を時に凌駕する。。。
こんなにのめり込めることがあるって素敵。

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「美しい色のためなら、命の危険をいとわない」。

本書を読むと、そもそも人類にはそういうところがあるみたいだな、と思いました。

ウルトラマリンの原料であるラピス・ラズリは険しい鉱山から命懸けで採掘される。
ヒ素が使われた鮮やかなグリーンは、壁紙に使っていたナポレオンの命も奪ったとか奪ってないとか。
本には紹介されていなかったけど、鉛入りの白粉や口紅なども、人体に有害と分かってもなお、使われていたと聞いたことがある。

深く鮮やかな美しい色材は、原料採取や精製の難しさから、金にも勝る高級品。生活を美しく彩れることは富の象徴だった。豊かな色彩は自己顕示欲、承認欲求、支配欲を満たしてくれた。

命を削ってでも手に入れたい・使いたい「色」。色は「美」や「権力」と親和して、時に人を暴走させる魔力がある……。

「色」に携わる者として、良きことに結びつけていきたいな〜と思いました🙌🏻✨

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すごく面白かったので、本で紹介されてた色を透明水彩で再現しようと試みました。

過去と現在の色を作ってくれる方々に感謝しかない。。綺麗な色をありがとう。。

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